東京五輪まであと1年 ブータン留学生寄居町訪問を振り返る

2020年に開催される東京五輪まであと1年となりました。五輪選手のキャンプ場誘致をきっかけに始まった埼玉県・寄居町とブータン政府交流事業の一環として行われた浦和国際学院・埼玉校のブータン留学生の寄居町訪問を振り返ってみました。

浦和国際学院に2018年度に入学したブータンの留学生が昨年5月21日、埼玉県・寄居町町長を表敬訪問しました。一行は寄居町役場でブータン王国と寄居町の文化・スポーツなど交流事業について説明を受けたほか、2020年東京五輪で事前キャンプ地の採用が決まった陸上競技施設を見学。町内にあるシバサキ製作所も訪れ自動車部品の生産現場の視察も行いました。

花輪町長がブータン留学生を激励

 寄居町長の表敬訪問や町の視察は、2016年に寄居町とブータン王国が2020東京五輪の事前キャンプ地に関する協定を締結したことをきっかけに始まった寄居町・ブータンの交流事業の一環で行われたものです。

寄居町役場で、花輪利一郎町長は学生を前に挨拶。「スポーツ親善大使の為末大氏の協力のもと、同町が2016年10月にブータン王国五輪委員会との間で、ブータン選手の五輪事前キャンプ地に関する協定を締結した」などと説明したほか、同国初となる陸上競技大会に寄居町の高校生が出場するなど同町とブータンの人的・文化的交流が深まっていることを紹介。ブータンの留学生に、「寄居町との交流事業に参加し相互理解を深め、東京五輪の際には通訳の仕事で力を貸してほしい」などと語りました。今回の表敬訪問に尽力した丸山晃埼玉新聞名誉顧問や、夏川百合子浦和国際学院代表らも来賓挨拶しました。

日本のモノづくり現場に感嘆の声も

 その後、一行は、五輪キャンプ地となる陸上競技施設を見学したほか、シバサキ製作所本社工場を訪問。同社は自動車部品や油圧機器部品を生産しボッシュや日立製作所などに出荷。北米や中国にも輸出するなどグローバルな展開を図っています。ITを使った生産現場や、働く者どうしが問題点などを話し合う「改善運動」の説明に、ブータン学生は、日本の経済成長の原点であるモノづくりの実態に目を輝かせ聞き入っていました。

バスの中ではちょっとしたサプライズも

一方、見学地を巡るバスの中では、ちょっとしたサプライズも。訪問団に参加した丸山埼玉新聞社顧問がスーパーに立ち寄り、ブータンと同じ味覚の辛いラーメンを購入し学生に配る場面も。丸山氏の留学生思いのやさしい一面がうかがわれました。学生らは、山々や田畑が連なる窓外風景を見て口々に「故郷の風景に似ている」と語り故郷を思い出していました。

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